福岡市でグロースハック、データ分析とサイト製作、webデザイン教育を行っています。

「!important #07 – 伝えるデザイン、伝わるデザイン」に参加してきました Part 1

イベント/勉強会

2018年2月4日 日曜日

(2018/2/5 – 言い回しがおかしかった箇所を修正しました。)

TwitterBlogの内容にとても共感することが多いデザイナー/コンサルタントさんの一人に、長谷川恭久(はせがわ・やすひさ)さんという方がいらっしゃいます。

その長谷川さんが、2018年2月3日に福岡発上陸してワークショップを開催されるということで真っ先に申込みました。で、周囲に「参加したほうがいい!」と発信していたら、生徒や卒業生、また熊本からも知り合いが参加されていて驚きました(笑)。ワークショップは「!important #07 – 伝えるデザイン、伝わるデザイン」という形で開催されました。

デザインの伝え方話し方

あなたのデザインが「伝わらない」と感じるシーンはないでしょうか?現在Webサイトやアプリ開発のデザインの進め方として

  • 「制作」より「設計・コンセプト」に時間をかける
  • 「作る」ことに時間をかけすぎない
  • 模索を繰り返しながら進める

という、ソフトウェア開発で言うと「アジャイル開発」のような進め方が、理想になってきています。これに対して、日本のデザイナーを取り巻く環境は

  • 「調査」「そもそも」に予算や時間を割けない
  • 学習ができない環境
  • 課題定義ができないまま、何も決めず作るので後戻りのコストが肥大
  • どこかに「しわ寄せ」が押し寄せる

というように、構造的に問題がある環境での作業を当たり前としているケースが多いのですと、長谷川さんから説明がありました。このような環境でどういう問題が発生するのかというと

  • 実装からしか関われない場合がある
  • (完全分業制で後戻りすることが)体制として難しい
  • 課題が「Webサイトを作る」とか「PVを上げる」のような手段になっており空回りしている

などがあり、だから、このような構造的な問題を解決しないまま、あなたがスキルアップしたとしても、そもそもの課題が定義できないような環境では何の解決にもならず、スキルが上がった分だけ、あなたがより大変になるという悪循環が生まれるということでした。日本の「Webデザイナー」は地位が低い場合が多く、スキルは同じもしくは高いのに、欧米のほうがWebデザイナーの地位や給与が高いということはここ数年よく議論されている事柄です。こちらも様々な原因はあると思いますが、長谷川さんによれば、その中の一つに『日本のWebデザイナーは「話せる」スキルが圧倒的に足りない』ということがあるそうです。

「話せる」スキルとは?・自ら説明する・最適な手段を提案する・考え方を伝えていく

欧米では、ひとりのデザイナーが社会に向けて発信し、議論しあう土壌がある(仕事と仕事以外で普通にやっている)と長谷川さんは指摘します。デザイナーが「作るだけ」になっており、「作るだけ」はどんどん機械化されており、実際、ロゴやWebサイトを自動で制作するサービスを利用すると、素人目には駆け出しのデザイナーが作るものより良いものが出来上がってきているように見えるケースもあるとのこと(実際、若いWebデザイナーが減っているという話を、先日、東京でWeb制作会社を経営している友人から聞きました)でした。ただ、そもそも「作れる」というのはデザイナーの仕事の一部に過ぎず、「話せる」こともデザイナーの仕事だと長谷川さんは言います。デザイナーは自らのデザインを話せる必要があり、「『見てわかるものが良いデザインです』← そんなばかなことはないですよね」という意見にはとても共感しました。

「良いものを作れば理解してもらえる」は間違い

第一部は、話せるデザイナーになる(または育てる)ために「批評」することを覚えようという内容でした。「批評」と間違えやすい言葉に「批判」があります。また、やってはいけないこととして「指示」があります。

批判(言われた側が人格否定されているように感じる)

  • これはない
  • カッコ悪い
  • なんか違う

指示(デザイナーが成長しなくなる)

  • ボタンを少し大きくして赤くしてください

批評(意思疎通をしていくための会話)

  • 意図を共有
  • 課題解決のための会話
  • 価値観を共有

というように分けられるそうです。なので、例えばLPのデザインに対しての意見を言うときに「これ全然かっこよくないよね」みたいな批判ではなく、

お客様は
気軽に製品を購入したいのに、(課題の定義)
長い製品情報の下にしか購入ボタンがないのは、(ゴールに関わるデザインの要素)
他の情報に埋もれて見えるので効果的ではないと思う。(課題)

『批評のフレームワーク』

のように批評することでデザイナーが育つとのことでした。そして、批評を聞く側にも質問の仕方があって、「これどうですか?」という風に聞くと、答える側も感覚的な意見のほうがいい易くなってしまうので「色・コピー・間隔・リズム」など、分かりやすく感覚的なところに意見が集中してしまうという説明があり、確かにその通りだと思いました。今後指導していくにあたって、デザインレビューの際に、レビューしてもらう側は「これは〇〇を〇〇するという目的のものですが、なにか課題は思い当たりますか?」のようにデザインの目的(何をどうしたいのか)を伝えることを心がけるようにしなければいけないことを学ぶことができ、大変参考になりました。

デザインの意見をもらう側にも問題があるケース

長谷川さんから、エンジニアと協力しながら開発するケースでは、プログラミングがそうであるようにデザインもロジカルでないとエンジニアの皆さんは納得して一緒に仕事ができないのではないでしょうかとの問題提起があり、エンジニアと一緒にお仕事をするのに向いているデザイナーと向いていないデザイナーがいるなと以前から感じていたのですが、その原因の一つがこれだということが分かりました。デザインはセンスや感性でやるものだと、まだまだ誤解されているのだなと思いました。

「伝わらない」と感じるデザイナーはどういう点に気をつければよいかということで、以下の事柄を長谷川さんは列挙されています。

成果物をコントロールする

  • 説明する(対話・批評)
  • 伝える(信頼を得る)

伝え方の課題

  • 精神論では不十分
  • 「当たり前」の危うさ

伝えるための戦略

  • 正しいことを正論で言っても伝わらない
  • アイディアの共通

「正しいことを正論で言っても伝わらない」というのはデータ分析において、データリテラシーがない人に説明する場合でも多々あるケースで、デザインでも同じなのだなと、深いため息が出たところで、第一部が終了し、第二部への続きとなります。

photo by ivanov

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